完全ガイド

専門医試験の勉強法【完全ガイド】

2026-08-22
限られた時間で専門医試験を通過するための考え方と回し方。基本問題の優先、想起練習、忘却曲線に沿った復習、スキマ時間の設計、直前1か月の詰め方までまとめました。

専門医試験の勉強は、初期研修や国家試験のときとは前提が違います。使える時間が圧倒的に少なく、範囲は広く、そして「診療で日々使っている知識」と「試験で問われる知識」が微妙にずれているからです。

このガイドでは、限られた時間で専門医試験を通過するための考え方と、具体的な回し方をまとめます。

専門医試験の勉強で最初に押さえるべきこと

専門医試験の対策を考えるとき、多くの人がまず「何を読むか」から入ります。しかし先に決めるべきは、どこで点を取るかです。

試験問題は、大きく3つに分けられます。

種類受験者の正答率合否への影響
基本問題高いここを落とすと致命的
標準問題中くらい差がつく
奇問・新しすぎる問題低いほとんど差がつかない

差がつくのは真ん中の層で、合否を決めるのは一番上の層です。全員が正解する問題を1問落とすことは、誰も解けない問題を1問落とすことより、はるかに重い意味を持ちます。

奇問対策に時間を使うのは、費用対効果が最も悪い選択です。まず基本問題を確実に取れる状態を作ってください。

詳しくは 専門医試験は「奇問」で落ちない。基本問題の取りこぼしで落ちる で解説しています。

「読む勉強」から「思い出す勉強」に切り替える

専門医試験の準備でいちばんよくある失敗は、教科書を読むことを勉強だと思ってしまうことです。

読んでいる最中は「わかった」感覚があります。しかしその感覚は、内容を理解したことの証明にはなりません。教科書を閉じた状態で内容を再現できるかどうかが、試験での得点力です。

記憶の研究では、この「思い出す作業」自体が記憶を強化することが繰り返し確認されています。読み返す回数を増やすより、問題を解いて思い出す回数を増やすほうが、同じ時間で定着します。

具体的には、こう置き換えます。

  • 章を読み返す → 章末の問題を先に解いてから、間違えた箇所だけ読む
  • マーカーを引く → 見出しだけ見て、内容を自分の言葉で説明してみる
  • まとめノートを作る → 何も見ずに書き出してから、抜けを教科書で埋める
詳しくは 読むだけでは覚えられない。「思い出す練習」が効く理由 へ。

復習のタイミングを自分で管理しない

もうひとつの落とし穴が、復習のタイミングです。

人は覚えた直後から急速に忘れます。そして厄介なことに、忘れかけている自覚がないまま忘れていきます。「あの分野はもうやったから大丈夫」と思っている領域が、実はいちばん抜けている、というのはよくあることです。

対策は単純で、忘れかけたころに自動的に戻ってくる仕組みを作ることです。感覚に頼らず、間隔を決めて機械的に回します。

  • 正解した問題 → 1日後 → 3日後 → 1週間後 → 2週間後 → 1か月後
  • 間違えた問題 → 翌日にもう一度

このスケジュールを手作業で管理するのは現実的ではありません。仕組みに任せてください。

詳しくは 忘却曲線を味方につける。復習は「思い出せるギリギリ」で へ。

まとまった時間を待たない

専門医試験を受ける時期は、多くの場合いちばん忙しい時期と重なります。「週末にまとめてやろう」と決めた計画は、当直や急変や学会準備で簡単に崩れます。

崩れない計画の条件は、1回あたりが極端に短いことです。5分で終わる単位に分割しておけば、外来の合間や移動中に消化できます。

1日10問なら、1か月で300問、半年で1,800問になります。まとまった時間を待って結局ゼロだった週と比べれば、差は歴然です。

詳しくは 当直明けでも回せる。スキマ時間の設計 へ。

過去問をどう扱うか

過去問は最優先の教材ですが、学会によって公開・販売の方針がまったく違います。過去問題集を刊行している学会もあれば、会員ページでのみ公開している学会、一般には公開していない学会もあります。

自分の試験でどうなっているかを最初に確認してください。

専門医試験の過去問はどこで手に入るか【19試験まとめ】 に、基本領域19試験それぞれの入手先をまとめています。

過去問が手に入る場合も、1周目と2周目で使い方を変える必要があります。1周目から答えを覚えにいくと、本番で少し表現を変えられただけで崩れます。

詳しくは 過去問の使い方。1周目と2周目で目的を変える へ。

直前1か月にやること・やらないこと

直前期に新しい教材へ手を広げるのは、ほぼ確実に逆効果です。この時期の目的は、知識を増やすことではなく、取りこぼしを減らすことに切り替わります。

  • やる:これまで間違えた問題の総復習、苦手分野の集中的な洗い直し
  • やらない:新しい参考書、新しい問題集、手つかずの領域の新規開拓

出典

  • 当サイトの一問一答システムの設計仕様(1日10問/復習間隔 正解1・3・7・14・30日、不正解は翌日/答えを見る前に自力で想起させる出題形式。2026年9月時点)
  • 当サイトによる基本領域19試験の過去問公開状況調査(各学会公式ページを個別に確認。2026年8月時点)
  • 一般社団法人 日本専門医機構 https://jmsb.or.jp/senmoni/
詳しくは 直前1か月の詰め方。新しい教材に手を出さない へ。

まとめ:この順番で進める

  1. 自分の試験の過去問の入手先を確認する
  2. 基本問題を確実に取る方針に決める
  3. 読む勉強から思い出す勉強に切り替える
  4. 復習の間隔を仕組みに任せる
  5. 1回5分の単位に分割して毎日回す
  6. 直前1か月は間違えた問題だけに絞る

なお、受験資格・試験日程・出題範囲などの制度面は年度によって変わります。最終的な情報は必ず日本専門医機構および各学会の公式発表でご確認ください。制度の全体像は 専門医試験とは。制度と受験までの流れ にまとめています。

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