過去問は何周すべきか|答えを覚えてしまったとき、どう使い直すか
過去問が手に入る試験でも、使い方を間違えると効果が大きく落ちます。最もよくある失敗は、1周目から答えを覚えにいってしまうことです。
「答えを覚える」と本番で崩れる
過去問を繰り返していると、問題文の最初の数行を読んだだけで答えの記号が浮かぶようになります。これは覚えた気になりますが、実際には問題と答えの組み合わせを記憶しているだけです。
本番では、同じ論点が別の切り口で問われます。症例の設定が変わる、選択肢の順番が変わる、聞き方が「正しいもの」から「誤っているもの」に変わる。それだけで崩れます。
必要なのは、問題を覚えることではなく、その問題が問うている論点を理解することです。
1周目と2周目で目的を変える
| 目的 | やること | |
|---|---|---|
| 1周目 | 知らない領域を見つける | 解けなくていい。範囲の地図を作る |
| 2周目 | 論点を理解する | なぜその答えかを説明できるようにする |
| 3周目以降 | 引き出せるか確認する | 間隔をあけて、思い出せるかを試す |
1周目:解けなくていい
1周目の目的は得点ではなく、自分の地図を作ることです。解けない問題が大量にあっても、それが正常です。
ここで時間をかけて悩むのは非効率です。少し考えてわからなければ解答を見て、「この領域は手薄」という印だけ残して次へ進みます。
2周目:説明できるかを基準にする
2周目からが本番です。基準は正解できたかどうかではなく、なぜその選択肢が正しいのか、他はなぜ違うのかを説明できるかです。
正解した問題でも、消去法や勘で当たったなら、それは「わかっていない」に分類します。ここを甘く判定すると、本番で落とします。
3周目以降:間隔をあける
理解できた問題は、間隔をあけて出し直します。連続で解いても、直前の記憶が残っているので負荷がかかりません。
数日から数週間あけて、思い出せるかギリギリのタイミングで取り出すのが最も効きます。
間隔の取り方は 忘却曲線を味方につける に具体的な日数をまとめました。
誤答の記録が資産になる
過去問を回すうえで、いちばん価値があるのは間違えた問題の記録です。直前期にやるべきことは、新しい問題ではなく、この記録の総復習です。
裏を返せば、記録が残っていなければ直前期にやることが決まりません。解きっぱなしにせず、間違えた問題は必ず残してください。
出典
- 当サイトによる基本領域19試験の過去問公開状況調査(各学会公式ページを個別に確認。2026年8月時点)
直前期の使い方は 直前1か月の詰め方 へ。
なお、過去問が何年分手に入るかは領域によって大きく違います。当サイトの調査では、学会サイトで公開している領域は眼科・精神科、会員ページで公開している領域は麻酔科・放射線科・泌尿器科でした(2026年8月時点)。年度数が少ない領域では、下の「古い年度をどう扱うか」の判断がより重要になります。
古い年度の過去問はどこまで使うか
制度や診療ガイドラインは改訂されます。古い年度の問題には、現在の推奨と食い違う内容が含まれることがあります。
- 直近数年分を中心に据える
- 古い年度は論点の把握に使い、細かい数値や推奨は最新のガイドラインで確認する
- 改訂があった領域は、必ず新しい情報で上書きする
過去問は強力ですが、あくまで過去の情報です。最新の推奨は各学会の公式発表でご確認ください。
自分の試験の入手先は 専門医試験の過去問はどこで手に入るか にまとめています。
過去問の公開方針は学会ごとに違います。基本領域19試験それぞれの入手先を各学会の公式ページで確認してまとめました。会員ページに置かれている領域もあります。
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