過去問がない試験はどう対策するか
基本領域19試験について、当サイトが各学会の公式ページを個別に確認したところ、公開先を特定できたのは9試験でした(2026年8月時点)。残りの領域を受ける人は、過去問が見つからないまま対策を組み立てることになります。
ただし最初にひとつ。「見つからない」と「存在しない」は別です。学会の会員専用ページに置かれている領域が複数あり、外からは見えません。まずは所属学会の会員ページにログインして探してください。
そのうえで見つからなかった場合の組み立て方が、この記事の本題です。過去問の代わりに何を基準にするかを決めるのが出発点になります。
出題範囲の指標になるもの
過去問がない場合、次の3つが範囲の目安になります。優先順位もこの順です。
| 優先度 | 教材 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1 | 学会が編集・監修した公式テキスト | 事実上の出題範囲。まずここ |
| 2 | 学会が発行する診療ガイドライン | 推奨レベルの判断が問われる |
| 3 | 領域の標準的な教科書 | 土台の確認・辞書的に使う |
学会が自ら編集しているテキストは、その学会が「専門医として知っておくべき」と考えている内容の表明です。試験を作るのも同じ学会である以上、これ以上に信頼できる範囲指標はありません。
各試験の定番教材は、試験ごとのページに優先度順で並べています。「まずこの1冊」と表示されているものから手をつけてください。
ガイドラインの扱い
ガイドラインは分量が多く、通読しようとすると挫折します。次のように絞ってください。
- 推奨の強さと、その根拠になっている考え方を押さえる
- フローチャート・アルゴリズム図を優先する
- 改訂で変わった箇所を確認する
細かい数値を丸暗記するより、「どういう場合にどう判断するか」の骨格を掴むほうが、試験でも臨床でも使えます。
市販の対策問題集の位置づけ
過去問がない試験でも、市販の対策問題集が出ていることがあります。これらは実際の過去問ではなく、出題範囲にそって作られた予想問題です。
- ○ 想起練習の材料としては有効
- ○ 自分の弱点の可視化に使える
- △ 実際の出題形式とは異なる可能性がある
- × 「これが出る」と考えるのは危険
問題そのものを覚えるのではなく、思い出す訓練の道具として使ってください。
想起練習の考え方は 読むだけでは覚えられない にまとめています。
情報収集で気をつけること
過去問が公開されていない試験ほど、受験者どうしの非公式な情報が流通します。参考にはなりますが、鵜呑みにはできません。
- 記憶に基づく復元問題は、選択肢や数値が不正確なことがある
- 実際の試験問題は学会・機構の著作物であり、転載・再配布は権利侵害にあたりうる
- 数年前の情報は、制度・範囲の改訂で古くなっている可能性がある
出典
- 当サイトによる基本領域19試験の過去問公開状況調査(各学会公式ページを個別に確認。2026年8月時点)
- 一般社団法人 日本専門医機構 https://jmsb.or.jp/senmoni/
詳しくは 復元問題との付き合い方と著作権の話 へ。
結論:やることは変わらない
過去問があってもなくても、合否を分けるのは受験者の多くが正解する問題を確実に取れるかです。過去問はその確認を効率化する道具であって、それ自体が目的ではありません。
公式テキストで範囲を押さえ、問題形式で思い出す訓練を重ね、間違えた問題を潰す。この順番は、どの試験でも共通です。
19試験それぞれの入手先は 専門医試験の過去問はどこで手に入るか にまとめています。公開先をご存じの領域があれば、ぜひ教えてください。
過去問の公開方針は学会ごとに違います。基本領域19試験それぞれの入手先を各学会の公式ページで確認してまとめました。会員ページに置かれている領域もあります。
ガイドの全体を読む同じテーマの記事
それぞれのテーマを掘り下げた記事です。
